どこまでも、どこまでも続く……
かつて、続いてきた道の、今……
ちょうど、途中……なんだね。
……あに、お元気ですか?
秋も深まって、だんだん肌寒い日が増えたね。
秋物を越して、冬物に移行しちゃいそうです。
うふふ……やっぱり、何かを書くのは……大好き。
それが……大切な文章なら、なおのこと……
実は今、あたし……物語の世界を、作ってるの。
それは、ずぅっと……むかし。
ひとりは、わんぱく。
いつも、即席の探検隊を引き連れては、知らない隣の町まで行って……
遠い国に、行きたがっていました。はるか遠くまで続く線路に、ずぅっと、目を向けて。
ひとりは、ぼんやり。
いつも、誰かの後ろにいて、……気がついたらひとりぼっちになってて。それから、ゆっくり歩きだして。
……それなのに、何かを始めると何事も速くて。実はリレーのアンカーだった。
ひとりは、にこにこ。
誰かといる時はいつもほほえんでて。それが、みんなを思わずしあわせにしてくれて。
でも、なぜかいつも無口で。 はなやかなのに、おとなしかった。
ひとりは、きまぐれ。
気が向いたらそこにいて、向かないならいない。やりたい時にやりたい事をして。
だけど、そうして作ったものは、みんなをびっくりさせるくらい……目をはなせなかった。
……誰かから、聞いたの。
何かの世界を……作らずにいられない人は……
……誰かの書いた文章を、楽しんで読める人は……
心のどこかに、同じ傷を持ってるんだって。
……あたしには、いくつかの……夢があるの。
それは、ささいなことから、むずかしいこと……
……決して、かなえられないことまで、……いろいろ、あります。
……ずぅっと、ずぅっと。
お墓の中まで、一緒に……もっていく夢も。
でもね。
今、あたしは……そうである現状が……辛いけど、嫌いじゃないの。
本当にむずかしいこと、って……
頭の中で、何度も何度も考えて、答えをひとつひとつだして。
……それをつなげて、はじめて……嫌いなだけじゃなくなる。
困難なことや、かなわないことが……
……好きになる、瞬間があるの。
あのね、実は今、お話を作ってるんです。
うふふ、モデルの一人は、……あに、だよ。
どんな物語になるのか、実はまだちゃんと決まってないけど。
でも、大まかに作ってるの。
あたしがお話を作るなんて……うふふ、お母さんやお父さんも、もちろんあにだって、想像もしなかったよね。
……一番不思議なのは、あたし本人だもん。
……ぱた。
ペンを置いて、ちょっとだけ……窓の外を、見つめる。
……まだ、真っ暗……
冬が、来るんだね。
さみしさが、辛くなるか、それともその分だけ、……あったかくなるか。
……あに、あには……気づいてる?
どうして、あたしが……お話を作りたく……なったのか。
……今のあたしには、「そうせずにいられなかったから」……
それだけで、十分な理由なの。
みっともないくらい……
きれいなものをかなぐりすてて、……言いたいことを伝えたくても。
……それは、今のあたしにとって、何よりも正しくても……
……もしかしたら、違う姿なのかもしれない。もっと、別なものかも……
そういう思いが、こんな夜は……止められなくなる、
夏が去っていく。
冬がその姿をそっと、感じさせる。
夜明けは、当たり前に……来るに決まっていても。
もしかして……明けない夜なのかも、って、思わずにいられない。
ねぇ……
それは、止められるの?……ううん……
あたしの中で、とても大切なあたしが……止めちゃいけない、って……
そう……はっきりと、告げてる。……そう思うの。
もしもいつか、この文章を誰かが……読んでくれる機会に恵まれて。
……その時、その作品が……
まず、何よりも……
あたしのための、あたしを変える文にさえ、なってなかったら……
そんなのって、さびしすぎるから……
……あに。
あたし、本当はどんなあたしになりたいのか、わからないの。
それで、それでもいいと思ってるの。
……ごめんね、あに。
お手紙、ちょっとだけ……うそ、書いちゃいました。
わんぱくで、ぼんやりしてて、にこにこしてて、きまぐれで……
……ほんとうの、あに。うその、あに。……どれも、あに。
……これを書いても、あには……うん、そばにいるわけじゃ、ない。
でも。
そばにいられる瞬間に、その幸せをいちばんに感じたい。
そのための心の準備に、……あにを、書きます。
きっと……一生、未完のものがたり。
もういちど、ペンを手に取って、それから窓の……外を、眺めた。
見えない風が、目に見える紅葉の木を揺らしてる。
いつかは、色づいて舞い踊る、木の葉のように……
……目に見えないものを、感じていたい。
……あに……
……さびしいけど、嫌じゃないよ。
これからまた、寒くなると思うけど、いい冬物は……買えたの?
また、一緒におでかけ、できる日が楽しみです。
早く、会いたいです。
お体に気をつけて、これからもがんばってね。応援しかできないけど……
それでは。
走り書きのノートと、封をしたばかりの封筒に、便箋。
それらをひとまとめに、ファイルに入れたら……
……窓の外が。
ちょっとずつ、明るくなっていました。
透き通った風が、きょうも、街を撫でて通り過ぎていく。
……ほんとは、ね。
なでてほしい、いちばんは……あにの、やさしいてのひら。
あたしにとって、何よりもあたたかい、あにのてのひら。
もう、すぐそこで、秋の夜明けがみんなを待っています。
動き出す街と、透明の思いの束を背景にして。
ドアのむこうに、その日ひとつきりの、夜明けがあった。
【たたずむ、よあけ】 完
あい、今回はすっかり透明。そんな感じです。
まわりに誰もいない時の逢は、こんな感じです。
秋の、透き通った夜明けと微かに肌を斬る風がいい感じです。
なんて、なんとなく言葉を並べる時もわざとそろえてみたり。
小説って、たしかにお話を伝えるものなんですけど。
文頭をわざと言葉に変えたり、文末の形を何かの建物みたくしたり。
そういういたずらが、大好きですw
というわけで、「1日の日記は何だったの?」という皆さんへの、逢からの返事、届きましたでしょうか?
これが本当にお話になるかどうかは、まだ、内緒です。
☆戻ります……☆